優秀な部下を潰す上司、伸ばす上司――歴史に学ぶ「人を見抜く力」
はじめに 会社には、優秀な社員がいる。 仕事を覚えるのが早い。 問題が起きれば、自分で考えて解決する。 周囲からも頼りにされている。 将来は管理職として組織を支える存在になるかもしれない。 ところが、そんな社員が数年後には会社を辞めてしまうことがある。 あるいは、会社には残っていても、 「言われたことだけやればいい」 という働き方になってしまうこともある。 なぜだろうか。 本人にやる気がなくなったのだろうか。 環境が悪かったのだろうか。 もちろん、それだけではない。 場合によっては、 上司がその人の能力を伸ばすどころか、潰してしまっている 可能性もある。 前回の記事では、 「後継者が育たない組織はなぜ衰退するのか」 について考えた。 今回はその一歩手前に戻って、 「そもそも、将来のリーダーになる人をどう見つけ、どう育てるのか」 を考えてみたい。 「優秀な部下」とは、上司の言うことをよく聞く人なのか 会社では、 「優秀な社員」 という言葉がよく使われる。 しかし、その基準は意外と曖昧だ。 上司の指示をすぐ実行する。 ミスをしない。 残業を嫌がらない。 報告が細かい。 こうした人は「優秀」と評価されやすい。 もちろん、それも能力の一つだ。 しかし、将来のリーダーを育てるという視点では、それだけでは足りない。 本当に重要なのは、 「上司がいない状況でも、自分で考えて行動できるか」 である。 「言うことを聞く人」と「考える人」は違う 上司が、 「この方法でやってください」 と指示する。 部下が、 「はい、分かりました」 と実行する。 一見すると問題はない。 しかし、 「なぜこの方法なのか?」 を考えていなければ、状況が変わったときに対応できない。 一方、 「この方法で進めます。ただ、この点については別の方法のほうがよいと思います」 と言える部下がいる。 こういう人は、ときに「扱いにくい」と思われる。 しかし、将来のリーダーとして見るなら、非常に重要な能力を持っている可能性がある。 「反対意見を言う部下」は宝になる 前回までの記事でも、 「反対意見を言える組織」 の重要性について触れてきた。 これは人材育成にもつながっている。 上司が、 「このやり方でいこう...