「年金って結局、自分はいくらもらえるの?」今から考えておきたい老後のお金
結論から言うと、年金について大切なのは、「将来いくらもらえるのか」を正確に予想することではない。
年金だけですべての生活費をまかなうと考えるのでもなく、反対に「どうせもらえない」と決めつけるのでもない。
まずは、自分がどのくらいの年金を受け取れそうなのかを知り、そのうえで貯蓄や仕事、住まいなどを組み合わせて老後の生活を考えていくことが大切になる。
老後はまだ先だと感じる人も多いだろう。
特に20代や30代なら、年金よりも毎月の家賃や住宅ローン、子育て、日々の生活費のほうが気になる。
しかし、老後のお金は突然必要になるものではない。
長い時間をかけて準備できるからこそ、現役世代のうちから少しずつ考えておく意味がある。
そもそも年金は何のためにあるのか
年金というと、「老後にもらうお金」というイメージが強い。
もちろん、それは大きな役割の一つだ。
現役時代には給料を得て生活できても、年齢を重ねれば同じように働き続けることが難しくなる場合がある。
そのときの生活を支えるのが、公的年金の重要な役割だ。
また、公的年金には老後だけでなく、障害を負った場合や、家計を支えていた人が亡くなった場合などに生活を支える仕組みもある。
つまり年金は、単純な「老後の貯金」とは少し違う。
長い人生の中で収入を得ることが難しくなったときに、生活を支える社会保障の一つとして考えると分かりやすい。
「払った保険料を自分で貯めている」わけではない
年金について誤解しやすいのが、毎月支払っている保険料が、そのまま自分のために積み立てられているという考え方だ。
日本の公的年金は、基本的には現役世代が支払う保険料などによって、その時点の高齢者の年金を支える仕組みになっている。
そして、今の現役世代が高齢になれば、その時代の現役世代などが制度を支える。
そのため、少子高齢化は年金制度にも関係する。
働く世代が減り、高齢者が増えれば、制度をどのように維持していくのかが課題になるからだ。
だからこそ、年金のニュースでは、保険料や受給開始年齢、給付水準などについて議論が続いている。
「将来、年金はもらえない」と決めつけなくていい
若い世代では、
「自分たちが高齢になるころには年金はなくなっているのではないか」
という不安を耳にすることがある。
将来の制度が今とまったく同じとは限らない。
人口構成や経済、働き方が変われば、制度が見直される可能性もある。
ただ、それと「年金がまったくなくなる」という話は同じではない。
大切なのは、極端な見方をしないことだ。
「年金があるから何も準備しなくていい」
でもなく、
「どうせ年金はないから考えても意味がない」
でもない。
公的年金を老後の生活を支える一つの柱として考え、それ以外の準備も組み合わせる。
そのくらいの距離感で考えるほうが、現実的ではないだろうか。
まずは「自分はいくらくらいなのか」を知る
老後について考えるとき、最初から難しい計算をする必要はない。
まず確認したいのは、自分自身の年金だ。
会社員として働いている期間、自営業だった期間、収入などによって、将来受け取る年金額は人によって異なる。
だから、「老後にはこれくらい必要らしい」という一般的な数字だけを見ても、自分に当てはまるとは限らない。
大切なのは、自分の場合を知ることだ。
「ねんきん定期便」などを確認すれば、自分の加入状況を把握するきっかけになる。
将来の金額を一円単位まで予測する必要はない。
「自分はどのくらいの年金を受け取る可能性があるのか」
その大まかな姿が分かるだけでも、老後のお金は考えやすくなる。
老後に必要なお金は、人によって違う
「老後には○千万円必要」
そんな言葉を目にすると、不安になる人もいるだろう。
しかし、老後に必要なお金は、すべての人が同じではない。
持ち家なのか、賃貸なのか。
夫婦なのか、一人暮らしなのか。
車が必要な地域なのか。
どのような生活を送りたいのか。
何歳まで働くのか。
こうした条件によって必要な金額は変わる。
だから、大きな数字だけを見て焦る必要はない。
まず考えたいのは、「自分は老後にどんな暮らしをしたいのか」ということだ。
旅行を楽しみたい人もいれば、静かに暮らしたい人もいる。
働ける間は仕事を続けたい人もいるだろう。
必要な老後資金は、その暮らし方から逆算して考えるほうが分かりやすい。
老後への備えは「貯金だけ」ではない
老後への備えというと、どうしても「いくら貯金するか」に目が向く。
もちろん、貯蓄は大切だ。
しかし、老後の生活を支えるものは貯金だけではない。
公的年金がある。
会社によっては企業年金もある。
自分で資産形成をする方法もある。
そして、働くことも収入を得る方法の一つだ。
たとえば、60代になっても無理のない範囲で働くことができれば、生活費の一部を収入でまかなうことができる。
これは単に「老後まで働かなければならない」という話ではない。
長く働ける知識や経験、健康を維持することも、老後への備えになるということだ。
20代、30代なら「時間」を味方にできる
若いうちから老後について考える最大のメリットは、時間があることだ。
一度に大きなお金を準備する必要はない。
毎月少しずつ貯蓄する。
無理のない範囲で資産形成を考える。
仕事の経験を積む。
健康を維持する。
こうしたことを長い時間続けることができる。
40代や50代からでも遅いわけではない。
その年代になれば、若いころより収入や生活費、住宅ローン、子どもの教育費など、将来の見通しが具体的になっている人も多い。
それぞれの年代で、できることは違う。
重要なのは、「もっと早く始めればよかった」と考えることではなく、今の自分にできることから始めることだ。
老後のお金を考えることは、今のお金を考えることでもある
老後が心配だからといって、今の生活を極端に切り詰める必要はない。
子どもとの時間。
家族旅行。
趣味。
友人との食事。
自分への学び。
今だからこそ使う価値のあるお金もある。
老後のために現在の生活をすべて我慢してしまえば、それもバランスを欠いてしまう。
一方で、将来のことをまったく考えずにお金を使い続ければ、後になって選択肢が少なくなる可能性がある。
大切なのは、今と将来のどちらか一方を選ぶことではない。
今の生活を大切にしながら、少しだけ未来にもお金を回す。
そのバランスを自分なりに見つけていくことだ。
年金のニュースを、自分の生活につなげてみる
年金制度のニュースは難しく感じる。
保険料。
給付水準。
受給開始年齢。
少子高齢化。
制度改正。
聞き慣れない言葉も多い。
しかし、すべてを理解する必要はない。
ニュースを見たとき、
「自分が毎月払うお金に関係するのか」
「将来受け取る年金に関係するのか」
「何歳まで働くかという話に関係するのか」
この三つくらいを考えてみるだけでもいい。
そうすると、年金制度のニュースが「高齢者だけの話」ではなくなる。
今の働き方やお金の使い方にもつながっていることが見えてくる。
年金を不安の材料だけにしない
老後について考え始めると、不安になることもある。
何歳まで働くのか。
どのくらい年金を受け取れるのか。
どのくらい貯金が必要なのか。
将来の物価はどうなるのか。
すべてを正確に予想することはできない。
だからこそ、完璧な老後計画をつくろうとしなくてもいい。
まず、自分の年金の状況を知る。
毎月少しだけ将来のためのお金を残す。
長く働けるように仕事の経験を積む。
健康を大切にする。
そして、数年に一度、自分の状況を確認する。
それくらいでも十分に意味がある。
年金は、「将来いくらもらえるのだろう」と不安になるためだけのものではない。
自分がこれからどんな働き方をして、どんな暮らしを送りたいのかを考えるきっかけにもなる。
老後だけを見るのではなく、今の生活と将来の生活をつなげて考える。
その視点を持つことが、これからのお金との付き合い方を考える第一歩になるのだと思う
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