なぜ立憲民主党は“自民党の最大の応援団”なのか
「自民党を倒す」と声高に叫ぶ立憲民主党。
だが現実を見れば、彼らほど自民党を助けている存在もない。
この党の最大の功績は、「野党不信」を国民に植えつけ、結果として自民党を安定政権に導いていることだ。
いったい、どうしてこうなったのか。
■ 「反自民」しかない党が、いつの間にか自民の味方に
立憲民主党の主張には一貫性がない。
経済では“財政健全化”を叫びながら、同時に「社会保障の充実」も要求する。
防衛費増額には反対するが、ではどう国を守るのかという現実的提案はない。
結局のところ、立憲民主党は「自民党の逆」を言うことが目的化している。
政策をつくるのではなく、反対すること自体が仕事になっている。
この構図こそが、まさに自民党を利しているのだ。
国民がテレビを見て「野党は批判ばかりだ」と感じるたびに、
自民党の支持は相対的に上がる。
皮肉な話だが、立憲民主党は「自民党を倒す」と言いながら、
その存在自体が自民党の最大の防波堤になっている。
■ 「緊縮の野党」──国民経済を知らない経済音痴
もっと深刻なのは、立憲民主党の経済政策の中身だ。
彼らはいまだに「財政健全化」「プライマリーバランス黒字化」を掲げている。
つまり、デフレと人口減少に苦しむこの国で、いまだに緊縮財政を続けようとしているのだ。
これは自民党財務省派と同じ発想であり、国民生活をますます苦しめる。
政府がカネを出さず、需要を削り、増税を維持する。
その結果、賃金は上がらず、物価だけが上がるという最悪の構図を再生産している。
立憲民主党は「格差是正」「生活者のための政治」と言いながら、
実際には財務省と同じ方向を向いている。
つまり、自民党と変わらないどころか、より中途半端で無責任なのだ。
■ 具体策なき「理念の空論」
たとえばエネルギー政策。
「脱原発」を叫ぶが、代替エネルギーの現実的ビジョンは示さない。
再エネ推進を言うわりに、電力供給の安定策は語られない。
外交においても同様だ。
安全保障の現実には触れず、「平和憲法を守る」という言葉で思考を止める。
この“いい加減な言葉の政治”こそが、立憲民主党の本質である。
理念を語ること自体は悪くない。
だが、理念しか語らない政治は、無責任な理想論に過ぎない。
■ 「自民党を倒せない野党」がもたらす構造的腐敗
野党が未熟であればあるほど、与党は傲慢になる。
緊張感のない政治が続き、官僚と政権の距離は縮まり、国会は形骸化する。
立憲民主党の存在が生み出しているのは、まさにその「ぬるま湯構造」だ。
まともな対抗軸がいないから、自民党はどれほど失政を重ねても倒れない。
国民は「他に選択肢がない」と諦め、政治はさらに劣化していく。
その意味で、立憲民主党は「自民党の最大の応援団」である。
意図せずして、だが確実に。
■ 結論──「野党の怠慢」が民主主義を殺す
民主主義が機能するには、「権力をチェックする健全な野党」が不可欠だ。
しかし、立憲民主党はその役割を放棄している。
自民党批判を繰り返すだけで、自らの政策を磨こうとしない。
このままでは、国民の政治不信はさらに深まり、
最終的には「政治そのものを信じない社会」が出来上がってしまう。
立憲民主党が本気で政権交代を目指すなら、
まずやるべきは“自民党の反対”をやめることだ。
そして、自分たちの言葉で、現実に耐えうる政策を語ること。
それができない限り、
立憲民主党は永遠に「自民党の陰に隠れた野党のふり」を続けるしかない。
正直な話、騙される有権者も有権者だと思う。。
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