「財政破綻論」は本当に正しいのか?──森山幹事長の発言から考える日本の財政と政治の責任






「国際的に資金を調達できなくなれば国が破綻する」── 自民党・森山裕幹事長のこの発言が、SNSや経済界で大きな波紋を呼んでいます。


財政健全化を訴える姿勢は理解できますが、果たしてこの“財政破綻論”は、現実に即したものなのでしょうか。 今回は、森山氏の発言をもとに、日本の財政構造と政治の責任について考えてみたいと思います。



「財政破綻論」の根拠とその問題点

森山氏は、消費税減税に否定的な立場を取り、「赤字国債による財源確保は国際的信認を損なう」と主張しています。 しかし、実際の日本の国債は約9割が国内で消化されており、海外依存度は極めて低いのが現状です。


また、日本は世界有数の対外債権国であり、家計部門の金融資産は2,000兆円を超えています。 つまり、資金調達に困るどころか、国内には潤沢な資金が存在しているのです。


このような統計的事実を踏まえると、「国際的な資金調達ができなければ破綻する」という主張は、現実とは乖離していると言わざるを得ません。



財政健全化という“錦の御旗”の危うさ

森山氏は「ポピュリズムの政治では国がもたない」とも発言しています。 しかし、減税や積極財政を求める声は、単なる人気取りではなく、生活者の切実な声に根ざしたものです。


  • 物価高騰

  • 実質賃金の低下

  • 社会保障の不安


こうした状況下で、減税や財政出動を求めるのは当然の流れであり、それを「ポピュリズム」と一括りにするのは、生活者の声を軽視する姿勢とも受け取られかねません。



「ぎりぎりの国債評価」発言に対する批判

森山氏は「国債の評価はぎりぎり」とも述べていますが、実際には日本国債の格付けは安定的であり、IMFも「急激な破綻リスクは低い」と評価しています。


このような“危機感の演出”は、減税論を封じ込めるための政治的方便ではないかという批判も出ています。



政治の責任とは何か──生活者に寄り添う財政論へ

財政再建は重要な課題ですが、それが生活者の苦しさを無視した“数字のための政治”になっては本末転倒です。


  • 教育費の負担

  • 食料品の高騰

  • 中小企業の倒産リスク


こうした現実に向き合いながら、財政論を再構築する必要があります。 減税や積極財政は、単なる“バラマキ”ではなく、国民の安心と成長を支えるための投資でもあるのです。



結論:「財政破綻論」は問い直されるべき時期に来ている

森山幹事長の発言は、財政健全化の重要性を訴えるものである一方で、 現実の統計や生活者の声との乖離が目立ちます。


今こそ必要なのは、「破綻するか否か」ではなく、 「どうすれば国民が安心して暮らせるか」という視点からの財政論ではないでしょうか。


政治の責任とは、数字を守ることではなく、 その数字の裏にある“暮らし”を守ることなのです。





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