SNSと選挙──若者の政治参加をどう促すか?
「選挙って、なんだか遠い話」 そう感じている若者は少なくありません。でも、スマホの中にあるSNSは、そんな“遠さ”をぐっと縮める力を持っています。
今回は、SNSが若者の政治参加にどう影響しているのか、そしてどんな工夫がその一歩を後押しできるのかを考えてみます。
若者の投票率はなぜ低い?
日本の若年層(20代)の投票率は、他の世代に比べて一貫して低い傾向にあります。たとえば、2021年の衆院選では20代の投票率が約37%と、60代の約71%に比べて半分程度にとどまりました。
その背景には、
政治が自分ごとに感じられない
難しい言葉や仕組みにハードルを感じる
誰に投票すればいいか分からない といった“心理的な距離”があるようです。
SNSが変える「政治との距離感」
そんな中、SNSは若者と政治をつなぐ新しい橋渡し役になりつつあります。
候補者の人柄が見える:X(旧Twitter)やInstagramで日常や考えを発信することで、候補者が“近い存在”に感じられる
短尺動画で政策がわかる:TikTokやYouTube Shortsで、政策の要点を30秒で解説する動画が人気
ライブ配信で直接質問できる:Instagram LiveやYouTubeライブで、候補者とリアルタイムにやりとりできる機会も増加中
2024年の兵庫県知事選では、SNSや動画サイトを「投票の判断材料にした」と答えた人のうち、約7割が「投票先を決める上で重要だった」と回答したという調査もあります。
SNS時代の選挙戦略──成功のカギは“共感”
SNSで注目を集める候補者の多くは、政策だけでなく「共感」を大切にしています。
自分の言葉で語る
コメントに丁寧に返信する
若者の悩みに寄り添う姿勢を見せる
こうした姿勢が、若年層の「この人なら信じられるかも」という気持ちにつながり、投票行動を後押ししています。
若者の声を“可視化”する仕組みも
最近では、政党側もSNSを通じて若者の声を集め、政策に反映しようとする動きが広がっています。
たとえば国民民主党は、XやLINE、YouTubeのコメントをAIで分析し、政策議論に活用する「デジタル民主主義2030」プロジェクトを展開中。こうした取り組みは、「声が届く実感」を生み、政治参加のモチベーションにつながります。
SNSと政治参加──課題もある
もちろん、SNSには注意点もあります。
フェイクニュースや誤情報の拡散
過激な言説による分断
情報の偏り(アルゴリズムによる“情報の泡”)
だからこそ、SNSを使う側も「情報を見極める力」が求められます。複数の情報源をチェックしたり、公式サイトや信頼できるメディアを確認する習慣が大切です。
おわりに──“いいね”の先にある一票
SNSは、若者にとって最も身近な情報ツール。 だからこそ、政治をもっと自分ごととして感じられるきっかけにもなります。
「この人、いいな」と思ったら、まずはフォローしてみる。
「この政策、気になる」と思ったら、調べてみる。
そして、選挙の日には、あなたの“いいね”を一票に変えてみませんか?
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