【2025年】日産自動車・株主総会レポート──再建への険しい道と株主のまなざし
2025年6月24日、横浜市の日産グローバル本社で開催された第126回定時株主総会。
出席株主数は前年比1.7倍の1,071人、所要時間は3時間6分と、例年を大きく上回る熱気と緊張感に包まれた総会となりました。
経営再建のキーマン、エスピノーサ新社長が登壇
冒頭、4月に就任したイバン・エスピノーサ社長が登壇し、2025年3月期の6,708億円の最終赤字について深く陳謝。
同時に、世界7工場の閉鎖と約2万人の人員削減を含む大規模な構造改革を進める決意を表明しました。
> 「痛みを伴うが、日産を守るためにはやるしかない」──エスピノーサ社長
株主から噴出した“怒り”と“疑問”
総会では、株主から以下のような厳しい声が相次ぎました:
「業績が悪いのに役員報酬が高すぎる」
「社外取締役は責任を果たしているのか?」
「ホンダとの統合破談の説明が不十分」
「追浜工場など国内拠点の閉鎖は地域経済に打撃」
特に、前社長・内田誠氏の約4億円の報酬に対しては強い批判が集まり、報酬制度の見直しを求める株主提案も出されましたが、否決されました。
“物言う株主”が突きつけた親子上場問題
投資ファンド「ストラテジックキャピタル」は、日産車体などの上場子会社の完全子会社化や少数株主保護を求める株主提案を提出。
これに対し、日産側は「柔軟な経営判断を妨げる」として反対し、提案は否決されました。
今後の焦点──“再建”は実現できるのか?
日産は今後、以下の課題に直面します:
国内外の工場閉鎖と地域経済への影響
EV・次世代モビリティへの投資と競争力強化
株主・従業員・地域社会との信頼回復
2年連続の無配予想と株主還元のあり方
おわりに──“再出発”の第一歩は、信頼の再構築から
今回の株主総会は、単なる業績報告の場ではなく、日産という企業の“信頼”と“未来”を問う場となりました。
エスピノーサ新体制のもと、日産がどのように再建の道を歩むのか──その一歩一歩に、株主だけでなく社会全体が注目しています。
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