〝A級戦犯〟の外交官・松岡洋右氏が伝えたかったこと 前編~天才外交官のロシア・中国・満州観~
松岡洋右氏といえば、学生時代に学校で日本史を勉強した知識を元にすれば、「日独伊三国同盟の成立を主導し、日本を戦争に導いた人」や「国際連盟脱退を決めて、日本を世界から孤立させた人」というイメージあるかと思います。
つまり、軍国主義者という感じであまりよくないイメージですね。
現在、経営科学出版さんが粋な企画をしており、その松岡氏が満州事変勃発の直前に書き上げた「東亜全局の動揺」という本を復刻販売しています。
【戦後、GHQに封印された天才外交官の遺言が復活】
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無料(送料のみ)とのことで、この本を読んでみました。
ちょっとした内容や感じたことなどを紹介しようと思います。
…。
松岡氏は、当時のロシア、中国(当時はまだ中国大陸に正当な政府は存在せず、軍閥が割拠する状態)との外交について、前任の幣原外相による譲歩を重ねる外交により、ロシアには海洋権益を脅かされ、中国大陸での通商の妨害を招いていると指弾しています。
国際的にも正当な権利の下で得た権益・通商活動であり、それを脅かされるとは何事か!というわけですね。
これだけ聞くと、「松岡氏って強硬な考え方だなぁ」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、その指弾と同時に、「私は日露国交断絶論者でも、不当にロシアに向かって強硬論を吐くものではない」、さらに中国の妨害に対して軍を出動させたことについて、「腕力は外交ではない」とまで書き記し、軍が出動して外交がなくなってしまった現状を嘆いてさえいます。
強硬論者というイメージが変わりませんか?
さらに、満州地域についても興味深い記述が出てきます。
まずはその地域に住む朝鮮人について。
彼らは中国人(漢民族)から差別されており、日本人と同様、それ以上にその活動を妨害されている。
それに対して朝鮮人は暴動を起こした。その行動は決して許されることではないとした上で、なんとそれには同情を禁じ得ない、としています。
自らが治める地域で起きた暴動について、その行動に同情を寄せるなんて、なんと情に厚い人でしょうかね…。
また、満州地域において日本人の排斥を進める中国人(漢民族)に対しては、元々、満州地域は満州民族(清帝国を創った民族で、書籍執筆時に清は辛亥革命で滅亡していた)が支配していた地域であり、漢民族もいわば日本人と同じ移民である。
それを満州地域はあたかも漢民族固有の領土だなどと主張するのはおかしい。
さらに言うと、漢民族は日本人が満州地域を懸命に投資を行いインフラなどを整えたからこそ、そこに移民して来たのではないのか!と事実を元に糾弾しています。
よく「戦前の日本は中国を侵略した」という人がいますが、満州地域についていえば、現在、中国大陸に存在する中華人民共和国(および同国を建国した漢民族)とは何の関係もない地域です。
中国共産党が日本を貶めるために「我々は侵略を受けた!」などと言っているだけなんですね。
どうでしょうか?実際の当時の事実を知る外交官の言葉だからこそ、真実味がありませんか?
次回に続きます。
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