Z世代がテレビを見なくなった本当の理由|SNS時代のメディア変化





はじめに:テレビ離れは一時的な現象ではない

いまの若者――いわゆる「Z世代」(1990年代後半〜2010年代初頭生まれ)にとって、テレビは「日常の中心」ではありません。
かつてのように「家族そろって同じ番組を見る」光景は減り、リビングのテレビが単なるインテリアになっている家庭も珍しくありません。


では、なぜZ世代はテレビを見なくなったのでしょうか。
その背景には、単なる「娯楽の多様化」だけではなく、時代の情報構造そのものの変化があるのです。




Z世代がテレビを見なくなった理由①:時間を縛られる感覚が嫌い

Z世代が生きてきた時代は、オンデマンド文化の真っ只中です。
YouTube、Netflix、TVer、TikTok——どれも自分の好きな時間に、好きなだけ、好きな内容を楽しめる世界。


それに比べ、テレビは「放送時間」という制約があります。
“決まった時間にテレビの前にいなければならない”という感覚が、彼らには不自由で古臭いと感じられるのです。




Z世代がテレビを見なくなった理由②:情報の一方通行に飽きた

テレビは「送り手が一方的に伝える」メディアです。
しかしZ世代は、SNSでリアルタイムに反応し合う双方向の情報環境に慣れています。


たとえば、YouTubeライブやX(旧Twitter)では、視聴者がコメントを投げ、配信者が即座に反応する。
この「参加感」が、テレビにはほとんど存在しません。


彼らにとっては、「黙って見ているだけ」のテレビよりも、「一緒に作る情報空間」の方が魅力的なのです。




Z世代がテレビを見なくなった理由③:価値観の多様化と個人発信の時代

かつてのテレビは、“みんなが同じ話題を共有する”ための装置でした。
「昨日のドラマ見た?」という共通の話題が、社会の接着剤だったのです。


しかし今や、情報も価値観も“個人化”しています。
Z世代は、自分の興味に合わせてYouTuberを選び、TikTokのアルゴリズムで自分好みの世界を構築しています。


つまり、「マスメディア的な統一感」はもはや求められていない。
“自分だけの情報世界”を持てる時代に、テレビのような「画一的な情報発信」は時代遅れなのです。




Z世代がテレビを見なくなった理由④:信頼性の低下と「作られた感」への拒否感

Z世代は、テレビ報道の「演出」や「偏向」を敏感に感じ取ります。
SNSを通じて、複数の情報源を比較しながら、自分で真実を判断する世代です。


そのため、


「どこかの意図で編集されている」
「誰かの都合で流されている」


 

と感じた瞬間、彼らはチャンネルを切り替えます。
テレビ的な“作られたリアル”よりも、YouTuberや配信者の“生のリアル”を信じるのがZ世代なのです。




Z世代が選んだ「新しいメディア」とは?

Z世代にとっての情報源は、YouTube・TikTok・Instagram・X(旧Twitter)といったSNSプラットフォームです。


彼らは「検索」よりも「流れてくる情報」で世界を知り、共感した発信者を“自分のメディア”としてフォローします。


つまり、彼らにとっての“テレビ局”はもう存在しません。
一人ひとりの発信者が、自分の中でニュースを語り、価値観を伝える——
「個人がメディアになる時代」が到来したのです。




まとめ:テレビは“終わった”のではなく、“役割を終えた”

Z世代がテレビを見なくなったのは、彼らが“怠惰”だからではありません。
むしろ、情報の主導権を自分の手に取り戻した世代だと言えるでしょう。


テレビは、社会全体を一つにまとめる力を持った時代の象徴でした。
しかし今、その役割は終わり、情報は個人の手へと戻ってきた。


——テレビは消えゆくメディアではなく、単にその役割を終えただけです。


それでもテレビ業界の人間がメディアのこれまでと同じやり方でメインストリームであろうとするのであれば、過去の栄光にしがみつくみっともない末路しか待っていないでしょう。


この業界の方々はそういった点における感度が著しく低いので、こうした末路を迎えることになるでしょうね。。




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