報酬カットを訴える政治家、それってホントに正しいの?~失われた需要はあなたが作ったモノ・サービスの消費を減らす~




広島県府中市に関する話題。


4月15日告示、22日投開票の日程で、


市長選が行われます。


争うのは、


現職の戸成義則氏と、新人で元市議の小野申人氏。


11日の夜に同市で公開討論会が開かれました。



「府中市長選 市政の課題、公開討論 立候補予定の2氏」
https://mainichi.jp/articles/20180413/ddl/k34/010/476000c



やはり、生まれ故郷の話ですから気になります。


気になったのは、戸成氏の意見。


行政改革として、


「自らの報酬の半減・議員定数の削減」を主張しておられます。


…。


確かに質素倹約を感じさせることから、


市民からの支持を得やすいのかもしれません。


しかし、デフレで需要不足に悩んでいる今、


私はこの考え方には反対です。


需要不足とはすなわち、


消費や投資が足りていないということです。


では、戸成氏が掲げる「自らの報酬の半減・議員定数の削減」を


今、実行するとどうなるでしょうか?


当然、その分の消費が減ります。


これではますますデフレが悪化してしまうでしょう。


「報酬が減ったぞ。よし、消費を増やそう!」


なんて人は決していませんし、


そもそも議員さんの数が減ってしまえば、


その分の報酬の支給がなくなるので、


消費は増えるはずもありません。


上記までの話は、誰にでも理解できるはずです。


どうやらこの戸成氏、


初当選を飾った前回も、


同じような報酬削減を主張し、


見事に当選を果たしたようです。


…。


府中市民の方々、


どうか冷静なご判断をお願いします。



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マリナー・エクルズという人物〜彼はいかにしてアメリカを大恐慌から救ったのか?〜




マリナー・S・エクルズという人物をご存知ですか?


彼は元FRB(連邦準備制度理事会)の議長で、


世界恐慌期に、


アメリカのルーズベルト大統領が採用した


「ニューディール政策」の立案に携わった人物の1人です。


銀行家であった彼は、


実務家として現実の経済動向を見てきた経験を活かし、


デフレに陥っていた当時のアメリカで、


健全財政論者など、


周囲の猛反発を受けながらも財政政策拡大を主張。


見事にそれを実現させました。


(最終的にルーズベルト大統領が財政を引き締めてしまったので、デフレの完全脱却は成らず、完全脱却には日本との開戦を待たねばなりませんでしたが…。)


周囲から凄まじい批判や攻撃を受けながらも、


財政拡大という真っ当な主張をし続けたエクルズ。


そんな人物が日本にも現われてほしいと切に思います。


彼が残した言葉には、


現在の日本にそのまま通じるものが多くあります。


デフレは放置しておけば、


いずれ均衡して正常な景気循環に戻ると主張する


経済学者や金融関係者に対して、


「人々は価格が下がり続けると信じている限り、モノではなくカネを欲しがる」


と言いました。


即ち、デフレは底なしだと主張したわけですね。


さらに、


国債の増発(財政拡大)に対して猛反発した、


ハリー・F・バード上院議員に対しては、


「(資本主義経済下において、)債務の拡大なしに繁栄した時代はなく、反対に、債務の縮小なしにデフレに陥った時代はない」


と主張。


資本主義とは誰かが債務を拡大することで発展すると説きました。


また、


「国全体として、われわれは外国ではなく、自国民に対して債務を負っていることは、重要ではないのですか?」


とも話します。


そして極めつけは、


人々が恐慌に苦しむことに対して、


政府支出を惜しむ考え方に真っ向から異を唱えています。



「敵国との戦争から人命を守るために使われるのと同じ政府債務が、平時においては、失意と絶望から人命を守るために使われるのである。戦争を戦うための政府の能力には制限がないのと同様に、恐慌と戦う政府の能力にも制限はない。両方とも、人的資源と物質的資源、頭脳とそして勇気のみにかかっている



「頭脳とそして勇気のみにかかっている」というフレーズは、


正に、選挙権を持つ


我々に直結するものです!


…。


いかがでしょうか?


ケインズ経済学の登場や統計などが、


現在よりもはるかに不十分だった時代、


エクルズは自分の直感を信じて、


銀行家として経済を見てきた自らの目を信じて、


これらの政策提言を行いました。


それに勝負を挑むのには相当な勇気が必要だったでしょう。


それでも彼はやり切った。


我々日本人も彼と同じ人間です。


できないはずがありません。


いくら不利な立場でも、


先の見通しが暗くても、


デフレ脱却に不可欠な「財政拡大」を


訴えていきましょう!



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