選挙権は“当たり前”じゃない──その一票が、歴史の努力で得られたものだと知っていますか?
「選挙?行っても意味ないでしょ」
「誰に入れても変わらないし」
そんな声が聞こえるたびに、ふと考えたくなることがあります。
私たちが“当たり前”のように持っている選挙権──それは、過去の人々が命がけで勝ち取った権利だということ。
🕰️ 1. かつて選挙権は“1%の特権”だった
日本で初めて選挙が行われたのは1890年(明治23年)。
そのとき選挙権を持っていたのは、以下の条件を満たす人だけでした:
満25歳以上の男子
直接国税を15円以上納めている者(現在の価値で約60〜70万円)
つまり、全国民のわずか1%しか選挙権を持っていなかったのです。
👩🦰 2. 女性には“政治に参加する資格すらなかった”
戦前の日本では、女性は政治に関わることすら許されていませんでした。
「家庭を守る存在」とされ、参政権は完全に男性のものだったのです。
しかし、戦後の民主化の流れの中で、1945年に選挙法が改正。
翌年の衆議院選挙から、満20歳以上の男女すべてに選挙権が与えられるようになりました。
📉 3. 若者の投票率は“権利の軽視”を映している?
2017年の衆議院選挙では、
全体の投票率:53.68%
10代:40.49%
20代:33.85%
若者の投票率は、全世代の中でも最も低い水準です。
「選挙権は当たり前」「行かなくても困らない」──そんな空気が広がっているのかもしれません。
🧠 4. 選挙権は“民主主義の最後の砦”
選挙権は、ただの紙切れではありません。
それは、自分の未来を選ぶ力であり、
社会の方向性に声を届ける手段です。
法律を決める人を選ぶ -税金の使い道を決める人を選ぶ
自分の生活に関わる制度を左右する人を選ぶ
この権利がなければ、私たちはただ“決められる側”になるしかないのです。
🌍 5. 世界でも“選挙権がない人”は存在する
国籍を持たない人
一部の刑罰を受けた人
政治的抑圧がある国の市民
たとえ税金を納めていても、選挙権がない人は世界中に存在します。
日本でも、帰化していない外国籍の人は、政治に直接参加することができません。
📝 おわりに──“当たり前”を疑うことが、民主主義の第一歩
選挙権は、
性別や財産で差別されていた時代を乗り越え
多くの市民運動と法改正を経て
ようやく“みんなのもの”になった権利です。
だからこそ、「行かなくてもいいや」ではなく、「行けるからこそ行く」という姿勢が、未来を変える力になります。
あなたの一票は、 過去の努力の結晶であり、 これからの社会へのメッセージです。
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