映画「226」を鑑賞~青年将校たちが実現したかった日本とは?~




先日、某配信サイトで映画「226」を鑑賞しました。


内容は、タイトルの通り1936年2月26日に発生したクーデター未遂事件である「226事件」を陸軍の青年将校側から描いた作品です。


詳しい映画の評論は専門家に譲りますが、特に印象に残ったのは、クーデターを首謀した将校たちにもそれぞれ家庭という帰る場所・守るものがあり、それでも日本の将来を思い、立ち上がったということが丹念に描かれていることです。


将校たちは、当時相次ぐ恐慌で経済が疲弊し、困窮に追い込まれていた地方を救ってくれない当時の政府、政治家に不信感を募らせ、最終的には殺害という暴力で訴えることになりました。


当然のことながら、彼らの行動を正当化することはできません。
日本は当時も今も民主主義の国。拳や剣ではなく言論で闘わなければなりません。


その一方で私が感じるのは、
彼ら青年将校らは真剣に日本を憂いていたからこそ、家庭をかなぐり捨ててでも決起したのだということです。その方法が間違っていただけで。


今の時代、彼らのように真剣に考えている日本人がどれだけいるでしょうか…?


「田中角栄 100の言葉」という本に書かれていましたが、田中角栄元首相は1960年代、70年代にかけて盛り上がりを見せていた学生運動に対して、「学生運動を繰り広げる若者たちがいる。経験が浅く視野が狭いがまじめに祖国の先行きを考え心配している。若者はあれでいい」という旨の発言をしています。


この考え方は、私は正しいと思います。


あくまで感覚でしかありませんが、1930年代当時よりも日本のことを真剣に考える人が減った今、日本が良い方向に向かっているとは到底思えないのです。


ご興味のある方は、ぜひ一度本映画を視聴してみてください。
キャストの1人、本木雅弘氏は当時某事務所を辞めたばかりということもあり、制作陣に起用するなと圧力がかかったが、それに抗い起用した、なんて逸話もあるそうです。



「映画.com 226」
https://eiga.com/movie/38385/

解説

昭和11年2月26日に皇道派の青年将校が決起し、元老、重臣らを襲った二・二六事件を描く。原作・脚本は「肉体の門(1988)」の笠原和夫、監督は同作の五社英雄、撮影は同作の森田富士郎がそれぞれ担当。

1989年製作/114分/日本

配給:松竹富士

劇場公開日:1989年6月17日



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