新聞に信を置く日本人~その情報、本当に正しいと言えますか?~

藤井聡京都大学教授によると、


世界的に見て、日本人は新聞を「信頼する」と答える人が多いようです。



【藤井聡】残念ながら、「信」は時に「悪の暴走」をもたらすのです。
https://the-criterion.jp/mail-magazine/m20190815/

こんにちは、
表現者クライテリオン編集長、
京都大学教授の藤井聡です。

当研究室では、マスメディアの研究を
細々と長年、続けているのですが、
その中で、この度改めて作ったのが、このグラフです。


日本人だけが、断トツでメディアを信用しているというグラフですが・・・
このデータ出典は、
下記のWorld Values Surveyのサイトで公開されているもので、
http://www.worldvaluessurvey.org/WVSOnline.jsp
「新聞を、どれくらい信用していますか?」
という質問を「G7各国」の国民に行ったもので、
「強く信用している/信用している」
のいずれかを選んだ回答者の割合を示しているのがこのグラフです。

(なお、このデータは、
2005~2009年に行われた調査結果ですが、
2010~2014においても、ほとんど同じ結果が得られています。
なお、2010~2014調査では、国の数が限られています)

ご覧のように、G7の諸外国は、
新聞情報を信用している国民は、ほとんどおらず、
せいぜい、2、3割程度であるのに対して、
日本では、約73%という、大半の人々が、
新聞の情報を信用しているのです。

しかし、しばしば
マスメディアが「ウソ」を垂れ流しているのは
紛うことなき事実。

要するに、欧米諸国の人びとに比べて、
日本人がメディアに対して、
丁寧に言うなら「ナイーブ」、
もっとあっさり言うなら「愚か者」、
(関西弁で言うなら、「アホ」)なわけです。

このままでは、我が国で
「全うな民主主義」なるものが醸成され、
「適切な世論」が形成されることなど、
絶望的に難しい、ということになるでしょう・・・。

実際、まともに考えれば、
絶対にありえない「デフレ下での消費増税」が、
まさに今、断行されようとしています。
その結果、日本経済はボロボロになり、
国民の格差と貧困がさらに加速しようとしているのですが・・・
それもこれも、煎じ詰めて考えれば、
「日本人が信頼性なき新聞を信頼している」
からに他なりません。

何といっても、あらゆる大手新聞が、
消費増税待った無しだと言い続けてきた訳ですから・・・。

つまり、

信ずることは時に、悪を暴走させるのです。

もちろん、
日本のマスメディアの
「ジャーナリストとしての倫理観」
が十二分以上に高ければ、
この「メディアに対する信頼の高さ」
は日本の貴重な資産となります。

ですが、そんなものは全く期待できないのは、
筆者の長年の研究で明らかです。

例えば、現代の新聞記者は、
今や「ジャーナリスト」というより
「サラリーマン」になっており、
新聞社も「ジャーナリズム機関」というよりも
「民間企業」に成り下がっている実体が、
下記研究より、実証的に示されています。
https://policy-practice.com/db/3_181.pdf

無論、「ジャーナリズム魂はもう、皆無だ」
とまでは言えないでしょうが、
資本主義が暴走する我が国日本では、
彼らとて資本主義の論理からは、
自由にはなれないのです。

・・・何の因果か、
このメールマガジンや表現者クライテリオンに
目を通している皆さんは、
そこで目にする論調や情報が、
普段、新聞やテレビに溢れている情報とは、
少し趣の異なるものだと、お感じのものと思います。

是非とも、そんな風にして可能な限り、
複数の情報源に目を通すようにして、
異なる意見がある場合には、
どちらが正しいかを、
一度は少しだけでも考えてみる
という習慣を身に着けてもらいたいと思います。

その習慣さえあれば、
あなたの判断の基準(クライテリオン)が
少しずつ磨かれ、
メディアが垂れ流すウソに騙されるリスクが、
ぐっと減っていくこととなるでしょう。

国民一人一人のそんな「考える力」を取り戻し、
それを通して一人ひとりの内に作り上げられていく
判断の基準(クライテリオン)だけが、
民主主義における「悪の暴走」を防ぐ、
唯一の資産なのです。

思えば、明治黎明期に、
福沢諭吉が「学問のすすめ」を刊行したのも、
まさにそうした思いからでした。

当方も是非、一人でも多くの「現代」の皆さんに、

本誌「表現者クライテリオン」に

お触れていただきたいと、祈念しています。

引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。



…。


藤井氏にすれば、メディアがウソを報じることはままあり、


それを鵜呑みにする態度自体が極めて幼稚だということです。


こと、消費増税に関しては、


藤井氏の見解は正しいのかもしれません。


現在のようなデフレ下での消費増税は、


間違っているのが明らかにもかかわらず、


大手新聞は賛成一色です。


軽減税率の対象に新聞も含まれる代わりに、


消費増税について反対するな、という圧力がかかっているのでしょうか…?


いずれにしても、


1つのメディアを完全に信頼しきるのは必ずしも適切ではないかもしれません。


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