「ジャパンアズナンバーワン」から日本の強みを学ぶ~中間組織の復活が日本の復活~




私の父(60代後半)が以前、原子力発電所の再稼働方針が電力会社によって示されたことで、その原発が設置されている自治体の住民が、その方針を認める・認めないの議論で揺れているニュースを見た際、こう言いました。


「住民たちは再稼働の是非について、電力会社や政治家にデモのような形で意見をぶつけるんじゃなくて、まずは町内会などの組織でじっくりと話し合って、ある程度意見をまとめたうえで交渉しないと前には進まない」


私もそう思います。電力会社や政治家など、権力を持った大規模な組織に対して、個々人が個別で意見をぶつけたところで、かないっこありません。というか、無視されるだけです。


何かを実現したり意見を通したければ、私の父が言ったように、町内会などの「中間組織」で十分に議論を重ね、意見を集約しなければなりません。


こうした「中間組織」が日本の強みであることなどが書かれた書籍「ジャパンアズナンバーワン」をこの間、初めて読みました。


かつての日本では、各種の業界団体(●●組合、●●事業社連合会、農協、労働組合など)が現在よりも活発に活動していました。


なかなか結論は出ないものの、そこで議論が繰り返され、集約されたものが政治家に届けられ、政策が実現されていく、という流れがあったわけです。この流れこそが日本の強みの源泉だとこの書籍では主張されているのです。


「なかなか結論が出ないなんて、だめだよ。めんどくさい」と感じる人もいると思います。確かにそれは事実でしょう。しかし、結論がすぐに出て実施された政策よりも、だらだらと議論を続けたうえで決まり、実施された政策の方がまだマシなのではないか?と私は思います。


これは、ここ30年間上記の中間組織を「構造改革」の名のもとに壊し、「だらだらと議論するのではなく、トップダウンで決めるんだ!」との方針で決められ、実施されてきた政策とその結果を見たらあきらかでしょう。


また、なぜ現在の政治家は国民の減税を求める声を無視し、緊縮財政を続け国民生活を壊し続けるのか?それは中間団体が破壊され、意見が集約される機会がなくなり、政治家に国民の声が届きづらくなってしまったからなのです。


「生活が苦しい、何とかしてくれ!」
そう思っており、その声を政治に何とか届けたい、と考えているのであれば、中間組織に属し(作り)、しがらみに苦しみながらもそこで意見を出し、まとめていくしかありません。


中間組織の復活・再興こそが、日本の復活のカギを握っています。



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