補正予算額決定の舞台裏~財務省の越権行為に対して政治が反撃~




先日、閣議決定された補正予算の規模は29兆1,000億円で決着しました。

その舞台裏では、財務省と自民党議員の間でこんな闘争があったようです。



経済対策を懸けた仁義なき戦い 萩生田政調会長を激怒させた財務省の“禁じ手” 「責任を取るのはあなたたちじゃない」
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/190893?display=1

「禁じ手には禁じ手で返した」。

自民党の政策責任者・萩生田光一政調会長は、総合経済対策を巡る財務省との攻防をこう表現した。与党四役の一人を怒らせた、財務省の“禁じ手”とは一体何だったのか。

29兆1000億円の巨額予算を巡る“仁義なき戦い”の舞台裏を追った。


■会議中に入った岸田総理からの電話

10月26日午後、東京・平河町の自民党本部9階の会議室。物価高や円安などに対応するための総合経済対策をテーマにした会議を取り仕切っていた、萩生田政調会長の携帯電話に着信が入る。電話の主は岸田総理だった。


(後略)



内閣の支持率が下がり続け、上がり目も見えないなか、

次の選挙での落選を恐れる自民党の議員たちは元々、



財務省が提案する15兆円規模の補正予算案について「足りない!」と

不満を持っていたようなんです。



確かに、ここでしっかりした経済対策を打てなければ、

地元の支援者たちに顔が向けられないですもんね💦



しかし、記事によるとなるべく補正予算の金額を抑えたい財務省は、

わあわあ言ってくる自民党の議員たちを交わすかのように、



鈴木財務大臣を通じて岸田首相に直接「補正予算の規模は25兆円」と伝え、

既成事実化を図るという暴挙に出ます。



すると、その報告を聞いた岸田首相は萩生田政調会長に電話で事実を確認。

萩生田氏が「まだ調整中です」と答え、財務省の暴挙に激怒。


補正予算について議論していた自民党議員にも暴挙が知れ渡り、

「政策の責任をとるのはあなたたちじゃない、国民に選挙で選ばれた我々なんだ。結果の責任は我々が問われるんだ」


との言葉が財務省の役人に浴びせられたようです。


こうした流れを受け、補正予算は29兆1,000億円という金額に落ち着きました。


この報道から分かるのは、


①落選の危機にある政治家は必死になる

②政治家はその気になれば財務省と闘える


以上の2点だと思います。


①については、わかりやすいですね。


落選して一般人に戻ることにおびえる政治家は、

必死になって実績として誇れるような規模の経済対策・補正予算を組むことに尽力する。


②については、


なんだかんだ言って、

政治家は役人を力でねじ伏せることができるということですね。



本来、予算というのは選挙で選ばれた国会議員が議論して決めていくものです。

それを、財務省は否定するような行動をとったから、政治に反撃された。



つまり、反撃する意志さえあれば、いつでもできるということです。

これは今後につながる重要なことだと僕は思います。



普段は財務省の言いなりのように、

緊縮財政を進める自民党の議員さんたちですが。



恐らく、彼らはこれまで財務省の考え方ややり方に疑問を感じなかったからこそ、

そのように行動されていたんだと思います。



ということは、デフレを深刻化させる緊縮財政を転換させるには、

今回のように財務省の考え方や物事の進め方対して、

政治家に疑問を感じてもらえるようにする。



例えば、ありもしない財政破綻論や緊縮財政の実現のためには手段を選ばない

財務省の異常性などを政治家に知らしめることが大事なのだと思います。



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