インフラ整備を怠ってきたツケ~自然災害大国が公共事業バッシングで滅びる~




台風15号の被害により、


日本が20年近くインフラ整備を怠ってきたツケ


一気に回ってきているように思えます。



【老朽インフラ、日本の岐路に 台風で停電、復旧あと2週間 送電網や道路橋、更新コスト重く】
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190914&c=DM1&ng=DGKKZO4982085013092019MM8000

大規模停電を引き起こした台風15号は生活インフラが抱える災害リスクを浮き彫りにした。なお17万戸が停電し影響はライフラインに広がる。1970年代に整備が進んだ送電施設は更新時期が迫り老いるインフラは道路などにも共通する課題だ。国と地方を合わせた借金が1千兆円と財政が厳しく社会保障費も膨らむなか、巨額投資によりインフラをどこまで維持していくか、重い判断が迫られる。

台風15号が首都圏を直撃した9日以降、千葉県南部を中心に停電が続く。東京電力パワーグリッドは13日夜、東京都内で記者会見し、「今後、2週間以内におおむね復旧見込み」と発表した。

同社は当初、11日に全面復旧するとの見通しを発表していたが、会見で「過去の被害規模から過小な想定をしてしまった。複雑な難工事に直面している」と釈明した。房総半島の送電網は山林に張り巡らされており、倒木によって大規模に損傷しているという。

台風による被害は広範囲に及び、停電の全面復旧は時間がかかる傾向にある。2018年に関西を襲った台風21号の被害は、全面復旧まで17日間を要した。

停電はライフライン全体に影響を及ぼした。携帯電話の電波を飛ばす基地局が多くの場所で機能せず、スマートフォンの電源も確保できなくなったため、11年の東日本大震災の際には避難所や支援物資の情報共有で力を発揮したSNS(交流サイト)の効果も限定的なものになった。市役所などに設置された充電設備には電源を求める人で長蛇の列ができた。

被害が広がった背景として、想定外の強風に加え、送電設備の老朽化も指摘されている。送電線の鉄塔は70年代に建てられたものが大部分を占める。倒壊し、10万戸の大規模停電につながった千葉県君津市の鉄塔は72年に完成したものだった。


…(後略)



…。


こうした災害が発生し、大規模な停電が発生した場合、


普段、「公共事業は政治と土建屋の癒着だ!悪だ!」


「電力会社は優遇されていてけしからん!改革だ!」と発言されている方は、


どう感じられるのでしょうか?


災害などの非常時に生活を守るのは、


地元の土建業者(建設会社)や電力会社です。


彼らがいざという時のために、技術やノウハウ、人員などを維持するには、


一定程度の安定した仕事や優遇策が必要です。


確かに、公共事業に無駄なものもあるでしょうし、


電力会社が法律などで優遇されている部分はあるでしょう。


(そもそも、電力会社が民間企業で運営されていることが異例ですが…)


しかし、それらはあくまで一面的であり、


全てを「無駄だ!けしからん!」と叩くのはあまりにもナイーブです。


平時にはムダに思えることが、


非常時には人命を助けるために役に立ちます。


平成時代は、そうした「平時のムダ」を徹底的に叩き、


それを削減することが圧倒的に正しいとされる考えが蔓延していました。


令和の時代は、「平時の冗長性こそ、非常時に役に立つ」という、


当たり前の感覚を取り戻さなければいけませんね。


最後に、上記の記事にツッコミを入れたいです。



「国と地方を合わせた借金が1千兆円と財政が厳しく社会保障費も膨らむなか、巨額投資によりインフラをどこまで維持していくか、重い判断が迫られる。」



財政が厳しかろうが何だろうが、


人命を救うためのインフラ整備にお金を使うことを躊躇すべきではないはずです。


日本経済新聞社のスタンスが、


「人命よりもお金が優先」というものであれば、別ですが…。


そんなことはないはずです。(そう信じたい)


そもそも、日本政府の負債は100%自国通貨建てであり、


通貨発行権を有する日本銀行を子会社に持つ


日本政府が財政破綻に陥ることはあり得ません。


こうした正しい経済・財政に関する知識を広めて、


政府に太っ腹なインフラ整備費の支出と、


電力会社への財政的支援を求めましょう!



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