国民経済を語るならマクロの視点で~合成の誤謬について理解するには~
10月の消費税率引き上げに向けて、
我々に節約を勧める記事が掲載されていました。
【消費増税に節約で勝つ 日常生活品にこそ削る余地あり】
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO49938170Y9A910C1000000
…(前略)
■日常生活費を削減するため、まずは買わない生活を
1つめは「日常生活品を買わない」というアプローチです。私たちは思った以上に「買いすぎ」ていますし、「買わなくてもいいもの」に手を出しています。
購入するのが当たり前に思っているものほど、「一度買うのをやめる」ことにチャレンジをしてみてください。私は若い頃にオタク趣味に散財しまくっていた時期があります。試しに数カ月、ゲームもアニメのDVDもマンガも雑誌もとにかく買わないという生活をしてみたことがあります。
何カ月かすると、それまでは当然のように思っていた物欲が、ほとんど強迫観念のようなものだったことに気がつきました。買っても遊びきれず読み切れず、「積みゲー」「積ん読」になっているなら、それは買ったお金が自分に還元されていないことになります。
食のあり方や生活習慣を見直すための「プチ断食」、スマートフォンやインターネットとの距離感を考え直すための「デジタルデトックス」などがあるように、「できるだけ買わない生活」を一度試してみることをオススメします。
もしどうしても欲しいものがあったとしても、数カ月くらい前のものなら電子商取引(EC)サイトでたいてい注文できます。
■コンビニやスーパーで「買わない」に挑戦
コンビニやスーパーマーケットで買うお菓子や食料品などは削れない買い物のように思うかもしれません。でも、これらも「買わない」チャレンジに含めてみましょう。
最近、コンビニなどのフードロス(食品廃棄)問題が話題になっていますが、実は「家庭内フードロス問題」も無視できません。つまり野菜やお肉などの期限切れによる廃棄です。野菜を毎週2~3個捨てている人は買いすぎたことにより、月4000~5000円の節約チャンスを捨てていると言えるかもしれません。
フードロスは家計的には「使わずに捨てるお金」そのものですから、これをまずは削ってみたいものです。週末のまとめ買いなどでスーパーに行くときは、意識的に「ちょっと少なめ」に買うようにします。それだけで毎週1000円の節約がしばしば実現できるはずです。
どうしても必要なときに買い足した食材が少し割高であっても、トータルでは節約になることが多いものです。ぜひ「ちょっと少なめ」を意識してみましょう。
また、「レジ前で一度立ち止まって本当に買う必要があるか再考する」とか「棚に数品戻して会計する」といったワンクッションを自分に課すのもいい方法です。なんとなく買っていた買い物には、実はそれほど必要でなかった買い物がたくさんあることを考えるチャンスになるからです。
どうしても削るものがないという人は、清涼飲料水とお菓子を断ってみてください。お財布だけでなくカロリーの面からもいいダイエットになるはずです。
…(後略)
…。
この記事は、家計の視点で見れば正しい部分もあります。
消費税が上がる分、物価が上がるわけですから、
それに対応するために節約は合理的な行動でしょう。
しかし、その節約という合理的な行動を皆が皆実行したらどうなるでしょうか?
消費や投資が減り、その分、誰かが得るはずであった所得が減少することになります。
所得を減らした人は、当然ながら節約に走ります。
するとまた消費や投資が減り、誰かが得るはずだった…、、、、、
国民経済はつながっています。
即ち、今のようなデフレ下で皆が皆節約に走ってしまうと、
デフレがさらに悪化してしまいます。
デフレが悪化すれば我々の所得の低迷がさらに続きます。
…。
まぁ、個人向けの記事だと思うのでしょうがない部分もあるのですが、
「経済」という名前を冠する新聞であるならば、
こうしたデフレを悪化させる節約礼賛の記事ではなく、
我々を豊かにするためには経済成長が必要だ!
という内容の記事を載せてほしいものです。
このままデフレを放置して所得の低迷が進めば、
間違いなく、新聞を購読する余裕のない世帯や企業が増え、
日本経済新聞社さんも部数減で困ることになりますよ。
経済を語るのであれば、
マクロの視点に立った報道がもっと必要だと思います。
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