世界中が「日本化」する~需要縮小で貸し出し先が減り、国債金利が暴落へ~
世界の主要国が発行する債券の金利低下が著しいです。
何と、金利がマイナス圏に達した債券は全体の4分の1に達しているようです。
チャートは語る 水没する世界の金利 債券の4分の1、マイナス圏 欧米で「日本化」懸念
マイナス金利(総合2面きょうのことば)の拡大が止まらない。利回りがマイナスの債券の残高は世界で約17兆ドル(約1800兆円)と年初から2倍になり、いまや全体の約4分の1を占める。世界的に景況感が悪化し、金融緩和がさらに進むとみられているためだ。欧州では金利がマイナスの住宅ローンまで登場。「金融システムや経済に悪影響を与える」として過度の低金利を問題視する声が増えている。
債券を金利収入と満期時に戻る元本の合計額を超える高値で買うと、利回りはマイナスになる。貸し手が金利を負担する異常な状態だ。その背後には債券の一段の値上がり(利回りの低下)を見込む短期筋や、お金の置き場が見当たらないとして損失覚悟で債券を買う機関投資家がいる。
金融危機後の2008年12月に、逃避マネーの流入で米短期国債は利回りが史上初めてマイナスになった。12年以降、欧州や日本でマイナス金利政策が広がり、債券のマイナス利回りが定着した。スイスでは残存45年債の利回りまでマイナス圏に「水没」している。
…(後略)
…。
見出しの中で、「欧米で『日本化』懸念」とあるのは、
我が国では1998年に経済がデフレ化して以降、
国債の金利が低迷し続けているからです。
巷では、「国の借金で破綻する!」と騒がれながらも、です。
国債の金利が下がる、とはどういうことでしょうか?
当たり前ですが、国債が多く買われている場合ですね。
では、なぜ国債が多く買われるのでしょうか?
それは、国債を購入する金融機関が貸し出し先に困っているからです。
金融機関、特に銀行は預金者からお金を預かります。
そのお金は預金者にとってはもちろん資産ですが、
銀行にとっては負債です。
そして預金者に金利を支払わなければならないため、
企業等にお金を貸し出して金利を稼ぎ、収益を上げなければなりません。
しかし、肝心の貸し出し先がないのです。
なぜなら、企業がデフレ不況下では十分な収益を上げられないと判断し、
お金を借りてまで投資をしないからです。
したがって、何とかして金利を稼ぎたい銀行は、
わずか(本当にわずか)ではありますが金利の付く国債を購入している、という話です。
即ち、解決策は企業がお金を借りて投資したくなるほどに、
政府が財政出動を通じて需要(仕事)を創り出すほかない、という結論になります。
興味深いのは、こうした「政府による需要創出」が
日本だけではなく、世界の主要国で求められていることです。
どの国も、適切な財政政策が打たれていないんですね…。
「世界中が需要不足」と言ったところでしょうか?
日本が他の主要国に先駆けて、
政府による需要創出に乗り出すことを願って止みません。
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