日本の強みは残しましょう~新卒一括採用の見直しが本当に必要なのか?~




少し古いニュースですが、


経団連(大企業クラブ)がついに採用制度にまで口を出し、


「新卒一括採用」ではなく、「通年採用」への移行を進める方針を示しました。



「経団連、通年採用へ移行」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO43901930Y9A410C1MM8000/

経団連は新卒の学生の就職活動について、通年採用を広げていくことで大学側と合意した。春の一括採用に偏った慣行を見直す。能力を重視した採用の動きが強まるなか、大学を卒業した後での選考など複数の方式による採用へ移る。自由な採用活動が広がる契機となり、横並びの一括採用と年功序列を象徴とする日本型の雇用慣行が大きく変わりそうだ。

経団連と、就職問題懇談会などの大学側が22日に開く協議会で報告書をまとめ、通年採用を進める方針を示す。これを政府が人材育成のあり方を議論している未来投資会議での議論に反映させる見通しだ。2022年春入社から順次、通年採用を広げていく方針だ。

グローバル化とデジタル化が進み、企業はIT(情報技術)や海外の文化、語学に習熟した人材を確保し、競争力を高めようとしている。春の短期で決める今の就活は、学生の希望とずれる「ミスマッチ」も起きやすい。留学やインターン(就業体験)で学んだことを生かしたい学生を、時期を問わず通年で選考するニーズは高まっている。

経団連と大学側は、右肩上がりの高度経済成長期に適していた新卒一括採用は時代に合わなくなってきたとの認識を共有した。報告書では「新卒一括採用に加え、(ITなどの専門技術を重視した)ジョブ型採用も含め、学生個人の意志に応じた複線的で多様な採用形態に秩序をもって移行すべきだ」と明記する。

具体的には人工知能(AI)や、金融とITが融合したフィンテックに代表される高度な技術やマーケティングの知識が必要な職種の採用機会を増やす。長期のインターンとセットの選考や、大学を卒業した人を対象とする選考などで、時期を問わず採用活動をする企業が増えることになる。

通年採用の仕組みがあると、外国人留学生や日本人の留学生が就職活動をしやすくなる。時期にこだわった今の方式では、留学中の学生が不利になるといった問題点が指摘されていた。


(後略)



…。


「日本型雇用慣行(年功序列)の打破!」「能力重視へ!」


などという言葉が記事には散見されます。


確かに、言葉の響きは良いです…が、


実態はどうでしょうか?


こうした個々が重視される採用制度に変えれば、


「飛びぬけた天才はいないが、皆の能力が平均的に高く、チームで勝負する」


こうした、日本独自の強みを捨てることにはならないでしょうか?


財界はしきりに「海外では○○なの日本は…」


と言いますが、


それぞれの国に合った制度があるのは当たり前の話です。


これまで積み上げてきた歴史や民族各自に特徴があるんですから。


今回の「改革」が吉と出るか凶と出るか…、


私は上述の通り、凶と出ると思います。


いい加減、海外と比べる安易に「改革」を進めるのではなく、


日本なりの強みを大切にしませんか?



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コメント

  1. 確かにおっしゃる通りですね。 バブル期には米国は真剣に日本の終身雇用制度とそれによる会社への忠誠心を研究していたと聞いております。

    返信削除
    返信
    1. Tetsu様

      コメントをいただきありがとうございます。
      世界から一目置かれる制度を持っていたにもかかわらず、バブル崩壊以降、変に自国の制度や慣習などをさげすむようになり、日本固有のものを「構造改革」の名のもとに、壊してしまいましたね…。
      それらを再生させることが、我が国が立ち直る第一歩だと思います。

      削除

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